さるべえ調査員のけんぼうです。
ラーメン大島の魅力を徹底解説!
東京の下町、江戸川区。都営新宿線船堀駅から徒歩8分。
住宅街から大きな公園を通り抜け抜けること見えてきた人の群れ。
店の外からはるか20メートルのウェイティングを作るほどの人の群れは、まるでテーマパークで並ぶ人と見間違えるくらいの人気ぶり。
店に近づけば、ニンニクと味噌の香りがたちこめ、目に見えない誘惑。
店の外観はシンプルで、POPの掲示は一切なし。
お持ち帰り用のイーゼルと、4種の味を提示した木製プレートがぶら下がり、シンプルさが際立つ。
江戸川区人気ランキング、ラーメン部門1位。
東京都味噌ラーメン部門、ラーメンガイドで1位の経歴を持つ。
並ぶ人のお目当ては、もちろん人気No1を誇る味噌ラーメン。
各有名人のサインが店内にずらりと並び、テレビの取材も多く取り寄せてきた。
確か、初めて大島を訪れた時は、ウェイティングの長蛇もほとんどなく、どのラーメンを推しているか分からないほどだったが、口コミから口コミで美味しさが伝わった以外ないだろう。
またTRYラーメン大賞、味噌部門で5連覇を達成し殿堂入りも果たしたほどの輝かしい実績もある。
人気の秘訣!
人気の秘訣はもちろんメディアの影響もあるだろう。
大島のご主人は北海道の札幌の名店「すみれ」で12年に渡って修行し経験を積んだのち、2013年に江戸川区船堀で店を構えた。
北海道で味噌ラーメンを思い浮かべるのは、バターとたっぷりのコーンが入った札幌味噌ラーメンの方がイメージが強かったが、一気に味噌ラーメンの上書き保存。
今や、すみれ系列の味噌ラーメンはコラボ商品として販売するほどの人気ぶり。
だが他のラーメン屋には無い張り紙を数回見たことがある。
その内容は「従業員のラーメン修行のため、お休みします。」という熱意だった。
大島が1位を獲得するために選択したのではない。
お客様を満足させるために、そして自分たちの味がぶれないために。
張り紙を見た当初はせっかく来たのに残念な気持ちだなと思っていたが、その数か月後には雑誌に掲載されるほどのブレイクスルー。
瞬く間に大行列を作る人気味噌ラーメンの始まりでもあった。
気がつけば、閉店時間前でもスープがなくなればその時点で営業が終わってしまい、どうにか店内に入りたい人で溢れかえることもしばしば目にすることもあったくらいだ。
2013年の開店当初からどんなものかと足を運んだことがある。
1番始めに頼んだ注文はなぜか塩ラーメンだったが、後から味噌ラーメンが人気と知り、2回目の来店の際は味噌ラーメンを注文し、食した時の印象はかなりの美味しさに衝撃だった。
やはり私だけでなく他の方もこの衝撃的な旨さを求めて来てるのだと納得感。
どこか自分がMっ気を感じる瞬間でもある。
少し脱線してしまったので本題に戻ろう。
実は味噌ラーメンの他に、辛みそラーメンもあるが、どちらかというと赤味噌仕立て。色からして激辛のように伝わるが、シンプルな味噌ラーメンと同様にマイルドな、大豆の味をしっかり楽しめるテイストになっている。
そして約3年ぶりのあの味を求めて、大島へ到着。
きっと変わらぬ味が私の胃袋を鷲掴みにするに違いない。
やばい、緊張してきた。
旨いと分かっていても、久しぶりに会う緊張感。
まるで久しぶりに会う恋人との待ち合わせみたいだ。(彼女無し。)
開店前の行列に並び待つこと25分。
ゆっくりとシャッターが開き食券で味噌ラーメンを注文。
店内に案内されカウンターで待つ間は、野菜を中華鍋で炒めている音がBGM。
ぞろぞろと後続のお客さんが店内に入ると元気いっぱいな声で、「味噌です、大盛り味噌です。味噌4つです。」と店員さんのオーダーの連呼。
まるでお経のようにこだまする。
落ち着いた雰囲気の中に活気ある声。
たまに「醤油です。」というワードを聞くと静観している人が、チラ見する光景がある。 店の中の匂いは味噌の香りがたちこめ、注文している客の95%は味噌を注文。
運ばれてきた味噌とニンニクの良い香りのラーメンは、手を付ける前からヨダレが出てくるほどの渾身の一品。
一口、スープからゆっくり飲み込むと。
「うまい・・・。やはり、うまい。」
と分かっていても納得の味。
おろししょうがと刻み葱が決め手で、まずはスープを一口飲みこめば、口いっぱいに広がる花畑ならぬ味噌畑。
肉と野菜から出た多くの旨味成分が、バランスよくとれているスープと味噌が上手に絡み合っているのが伺えるほどの味。
他にもメンマや駒肉がはいっており、ラーメン単品でも十分楽しめるようになっている。
今回はトッピングに、もやしをチョイス。
もやしがラーメンの脇に入っているのかと思いきや、運ばれるやいなや迫力満点のボリューム感。
正直食べれるか心配になるほどの量。
そしてラーメン屋に行けば必ず頼むのが、小ライス。
汁に浸す食べ方もありだけど、ラーメンの塩味をご飯の米の甘みで中和する食べ方が定番。
口の中で甘みとしょっぱさのラリーを楽しみながら、胃袋の中へ流し込む。
もはや楽しみの根幹になっている。
濃厚な味噌ラーメンのスープと相性の良い中太麺は、もちもち触感で弾力あり。黄色く光ったツヤツヤ縮れ麺は、うっすら塩味が楽しめる人気の証。
麺をすすりながら、汁に浸したもやしをゆっくりかみしめると、シャキッとした触感が口の中で広がる。
麺ともやしを半分食べて行くと、うっすら見えてきた分厚いチャーシュー。
レンゲには全く乗り切れないほどの大きさで、箸で持ち上げてみると見事な重量感。
一口、チャーシューをほおばれば、しっかりとした噛み応えのある触感で、やわらかさと肉の甘さと、味噌の汁がしみているのが一目瞭然の味。
自分の中では最高の食事をさせて貰い、正味20分ほどで完食。
スープは最後まで飲み干せなかったが、スープを薄めて飲める配慮もあるので、最後の最後まで楽しむ事も出来る。
シンプルに味噌ラーメンのみの注文だけでも楽しめる一方で、トッピングにはネギ・もやし・煮卵・チャーシュー・ゴマ・きくらげなど豊富で好みに合わせたバリエーションが楽しめる。
また、ニンニクを避けがちな女性には不向きなラーメンかと思いきや、平日の昼はOLの姿もちらほら見かけるほどの人気ぶり。
(おそらくラーメンが好きか、ニンニクを食べてもこの後予定がないかのどちらかだなと、余計なお世話をしてみたり・・・。)
週末はファミリーで並ぶ光景を見かけるが、明らかに子供に選ばせる外食というよりも、大人が選ぶ外食といった雰囲気だ。
開店前から10人並ぶことはざらだし、待てない子供がいる場合は一苦労のため、簡易的な玩具持参が良いだろう。
ここから真剣さをアピール。
なぜここまで人気の理由があるのか、完食後店を出てから真面目に考えてみた。
今や日本の食文化では米、パン、麺の3つは欠かせないほどの定番になっている。
だが特に麺類の中でも、ラーメンに関しては激戦区であり、お客様の敏感さが1番現れているのではなかろうか。
というのも、ラーメンは何年も継続して売れ続けるのは稀で、いつの間にか売れないお店になっていくのを何度も目にしてきたからだ。
ラーメン1杯で、まあまあの味では喜ばれない。
むしろ他にはない、再現性のない、ここでしか食べられない位の「味」が確保できなければ潰れてしまうだろう。
そして、どこどこのラーメンの味と似ているという程度でも結局は、お客様の足は遠のいてしまうばかり。
食事は多くても1日3回だ。
その限りある3回のなかで、ラーメンを選択し、行列にもろともせず、あの味を求めて並ぶ人たちはもはやヘビーユーザーだ。
きっと旨さの中には良い意味での中毒性がある。
それは事前期待をはるか超えたどんぶりの中のテーマパークだ。
また行きたい。
またあの味を味わいたい。
食べ終わった後の人の顔の表情は確かだ。
是非足を運んで貰えればわかるはず。
器の中には夢が詰まっているからさ。
ごちそうさまでした。