ホンダPCXとヤマハNMAXは、日本の人気125ccスクーター市場を二分する存在です。この記事では、エンジン性能、燃費、デザイン、装備、走行性能、乗り心地、価格、維持費などの様々な角度から両車種を徹底比較。それぞれの特徴や違いを明らかにし、ユーザーの評価や口コミも交えながら、どちらが自分に合ったバイクなのかを判断する材料を提供します。PCXとNMAXのどちらを選ぶべきか悩んでいる方は必見です。
1. ホンダPCXとヤマハNMAXの概要
ホンダPCXとヤマハNMAXは、日本の二輪車市場で人気の高い125ccスクーターです。両者ともに優れた性能と装備を持ち、通勤や街乗りに最適な車両として広く選ばれています。国内二輪車販売台数ランキング125ccクラスでは、常に上位を争う人気モデルです。以下では、それぞれの特徴を詳しく見ていきます。
1.1 ホンダPCXの特徴
- 低燃費と環境性能を重視した「eSP」エンジン搭載
- スタイリッシュでコンパクトなボディデザイン
- 大容量の30Lシート下トランクを確保
- LEDヘッドライトとテールランプを採用
- idling Stopシステムによる優れた燃費性能(60km/L以上)
- スマートキーシステムを標準装備
- シート高760mmで足つき性も良好
- フロントインナーボックスとDC12V電源ソケットを装備
ホンダPCXは、低燃費と環境性能を重視した設計が特徴です。エンジンにはホンダ独自の「eSP」エンジンを搭載し、最高水準の60km/L以上という優れた燃費性能を実現しています。また、コンパクトなボディサイズながら大容量の30Lシート下トランクを確保し、使い勝手の良さも魅力の一つとなっています。スタイリッシュなLEDヘッドライトとテールランプ、便利なスマートキーシステムなど、装備面でも充実しています。
1.2 ヤマハNMAXの特徴
- 水冷4ストロークSOHC単気筒エンジンを搭載
- シャープでスポーティなデザイン
- フロント・リアに13インチの大径ホイールを採用
- フルデジタルメーターを装備
- 大容量の23Lシート下トランク
- スマートキーシステム「Yamaha Smart Key」を採用
- VVA(可変バルブ)による高い燃費性能(50km/L以上)
- アイドリングストップシステム搭載
2. エンジン性能と燃費の比較
ホンダPCXとヤマハNMAXは、ともに124ccクラスの人気スクーターです。どちらも高い走行性能と優れた燃費を誇っていますが、エンジンの特性や燃費の実力はどのように違うのでしょうか。ここでは、両車のエンジン性能と燃費を詳しく比較していきます。
2.1 エンジンスペックの違い
まず、両車のエンジン仕様を表で比較してみましょう。
エンジン仕様 | ホンダPCX | ヤマハNMAX |
---|---|---|
エンジン型式 | 水冷4ストロークOHC単気筒 | 水冷4ストロークSOHC単気筒 |
総排気量 | 124cc | 124cc |
ボア×ストローク | 52.4×57.9mm | 52.0×58.7mm |
最高出力 | 9.0kW(12.2PS)/8,500rpm | 9.0kW(12.2PS)/7,500rpm |
最大トルク | 11.8N・m(1.2kgf・m)/5,000rpm | 12.0N・m(1.22kgf・m)/6,000rpm |
データを見ると、両車とも124ccの水冷4ストロークエンジンを搭載していますが、細かい仕様に違いがあることがわかります。
ホンダPCXはOHC(オーバーヘッドカムシャフト)を採用しているのに対し、ヤマハNMAXはSOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)を採用しています。また、ボア×ストロークはPCXが52.4×57.9mm、NMAXが52.0×58.7mmとわずかに異なっています。
最高出力は同じ9.0kW(12.2PS)ですが、PCXが8,500rpmで到達するのに対し、NMAXは7,500rpmでピークに達します。最大トルクはNMAXが12.0N・m(1.22kgf・m)とPCXの11.8N・m(1.2kgf・m)より若干高くなっています。
これらの数値からは、NMAXの方がより低回転域でトルクフルな特性を持つエンジンといえそうです。一方、PCXは高回転域の伸びが良いエンジンという印象を受けます。
3. デザインと装備の比較
3.1 外観デザインの特徴
ホンダPCXとヤマハNMAXは、ともに洗練されたスタイリッシュなデザインが特徴的ですが、細部には違いがあります。PCXは丸みを帯びた優雅なデザインで、NMAXはよりダイナミックでスポーティな印象を与えます。
比較項目 | ホンダPCX | ヤマハNMAX |
---|---|---|
フロントマスク | 丸みを帯びたデザイン | 鋭角的でアグレッシブなデザイン |
ヘッドライト | シャープでモダンなLED | 独特の形状のLED |
テールライト | すっきりとしたデザイン | 立体的で存在感のあるデザイン |
サイドカバー | なめらかな曲線美 | ダイナミックなカット形状 |
外観デザインの詳細な比較は、ヤングマシン「ホンダ新型PCX vs ヤマハ新型NMAX どっちが買い!? 徹底比較」でも解説されています。
3.2 ライト・メーター類の装備
ホンダPCXとヤマハNMAXは、ともに最新のLEDライトを採用し、視認性と被視認性に優れています。メーター類も先進的な装備が充実しています。
3.2.1 ヘッドライト
- PCXは、シャープでモダンなLEDヘッドライトを採用。対向車への眩惑を抑えつつ、明るく広範囲を照射します。
- NMAXは、独特の形状のLEDヘッドライトが特徴的。立体的なデザインで存在感を発揮します。
3.2.2 メーター類
- PCXは、視認性の高いフルデジタルメーターを採用。燃費や航続可能距離など多彩な情報を表示します。
- NMAXは、アナログとデジタルのコンビネーションメーターを採用。スポーティな印象を与えつつ、必要な情報を的確に伝えます。
PCX、NMAX共に、昼間でも点灯するポジションランプを装備。被視認性を高め、安全性に貢献します。さらにハザードランプ、ウインカー、テールランプなども、LEDを採用した先進的な装備が充実しています。
3.3 シート・ステップの比較
4. 走行性能と乗り心地の比較
4.1 加速性能の比較
ホンダPCXとヤマハNMAXは、ともに水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載しており、優れた加速性能を備えています。PCXは排気量124cc、最高出力12.0ps/8,500rpm、最大トルク1.1kgf・m/5,000rpmを発揮し(出典:ホンダ公式サイト)、NMAXは排気量124cc、最高出力12.0ps/7,500rpm、最大トルク1.2kgf・m/6,000rpmを実現しています(出典:ヤマハ発動機公式サイト)。
両モデルの加速性能を比較すると、NMAXはPCXよりも最大トルクが0.1kgf・m大きく、最大トルクを発生する回転数も1,000rpm低いため、低中速域での力強さに優れています。これは、市街地での走行や坂道の上りなどで威力を発揮し、ストレスのない走りを実現します。一方、PCXは最高出力を発生する回転数がNMAXよりも1,000rpm高く、高回転域での伸びの良さが特徴です。このため、高速道路での巡航やオープンロードでのスポーティな走行に適しています。
ブレーキ性能の比較
ブレーキ性能については、PCXが前後ともシングルディスクブレーキを採用しているのに対し、NMAXは前後連動ブレーキ(UBS)を搭載している点が大きな違いです。
- PCXのシングルディスクブレーキ:制動力は十分ですが、前輪と後輪のブレーキを別々に操作する必要があります。
- NMAXのUBS:前輪と後輪のブレーキを同時に制御することで、安定した制動力を得られます。特に、急ブレーキ時や雨天時の制動時に効果を発揮し、安全性が高まります。
また、両モデルともABS(アンチロックブレーキシステム)を標準装備しており、ブレーキング時のタイヤのロックを防ぎ、車両の姿勢を安定させる役割を果たしています。これにより、急制動時でも安心して制動できるようになっています。
旋回性能の比較
旋回性能を左右する要素として、シート高、車体重量、ホイールベースの3点が挙げられます。
5. 価格と維持費の比較
5.1 車両本体価格の比較
ホンダPCXとヤマハNMAXの価格を比較してみましょう。
車種 | 価格(税込) |
---|---|
ホンダPCX | 435,600円 |
ヤマハNMAX | 451,000円 |
価格はNMAXの方が若干高めですが、大きな差はありません。両モデルとも40万円台前半の価格帯で購入できるため、125ccスクーターを初めて購入する方にも手の届きやすい価格設定となっています。
5.2 燃料代の比較
1リットルあたりの燃費を比較すると、PCXが約50km/L、NMAXが約45km/Lとなっています(ホンダ公式サイト、ヤマハ発動機公式サイト)。ガソリン価格を1リットル150円とすると、100km走行した場合の燃料代は以下のようになります。
- PCX: 約300円
- NMAX: 約333円
燃費はPCXの方が若干優れていますが、大きな差はなく、どちらも低燃費です。年間走行距離を5,000kmとした場合、PCXとNMAXの燃料代の差は年間約1,650円となり、ほとんど差がありません。
また、実際の燃費は走行環境や運転方法によって変わるため、カタログ値通りの燃費を達成できない場合もあります。しかし、PCXとNMAXはどちらも低燃費を実現しているため、125ccスクーターの中では燃料代を抑えられるモデルと言えます。
5.3 税金・保険料の比較
125ccクラスのスクーターの自動車税は年間4,000円です。自賠責保険料は24ヶ月で9,230円、任意保険料は車両の年式や個人の契約内容によって異なりますが、年間1万円程度が一般的です。PCXとNMAXで税金・保険料に大きな違いはなく、年間の税金と保険料の合計は2万円前後となります。
6. ユーザーの評価と口コミ
6.1 ホンダPCXユーザーの評価
6.1.1 燃費の良さが魅力
- 1リットルあたり50km以上走れるので、ガソリン代が大幅に節約できるのが嬉しいポイント。通勤や通学で毎日使う人にとって、燃費の良さはとても重要。出典:BikeBros
- 燃費は主に市街地走行で50km/L前後、郊外走行なら55km/L以上いくこともある。ツーリングでもあまりガソリンを気にせず走れるのが魅力。
6.1.2 シート下の広い収納スペース
- シート下の容量約28リットルの大型収納スペースが便利。通勤・通学に必要な荷物はもちろん、レジャーでも活躍。
- フルフェイスヘルメットが楽々収まるので、ヘルメットをわざわざ持ち歩く必要がない。買い物帰りの荷物もまとめて入る。出典:ホンダ公式サイト
6.1.3 高い安定感と乗りやすさ
- シート高が740mmと低めで足つきが良いため、155cm程度の女性でも安心して乗れる。重量も130kg台と軽量で取り回ししやすい。
- 普通二輪免許で乗れる125ccクラスの中では車体が大きめなので、高速道路でも安定感抜群。90km/h巡航も楽々で、遠出にも使える。
6.1.4 便利な装備が充実
- アイドリングストップ機能で信号待ちも快適。無駄なガソリン消費を抑えられ、燃費向上に役立つ。
- 左右のインナーポケットや充電用のUSB Type-Cポートなど、ちょっとした小物の収納にも配慮が行き届いている。
6.1.5 ホンダPCXの満足度
7. まとめ
ホンダPCXとヤマハNMAXは、ともに人気の高い125ccスクーターです。PCXは燃費性能と快適性に優れ、NMAXは力強いエンジンと装備の充実度が魅力です。走行性能や価格面でも僅差ですが、PCXはより扱いやすく、NMAXはスポーティな走りを楽しめます。どちらを選ぶかは、ユーザーの好みや使用用途に合わせて決めるのが良いでしょう。総合的に見ると、日常使いならPCX、ツーリング派ならNMAXがおすすめです。